なんでも院長室 VOL.03 


「ピロリ菌!?」

「潰瘍とピロリ菌」
ヘリコバクター・ピロリという名前を聞いたことがあるでしょうか?
日本人にはおなじみの病気、慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍の発生に深く関与しているといわれる胃の中に住む細菌です。ピロリ菌が主な原因で起こった「胃炎」は長く続くと「慢性胃炎」になり、さらに症状が悪化すると胃粘膜が縮んでいく「慢性萎縮性胃炎」に進行する場合もあります。
「慢性萎縮性胃炎」とは別に「胃潰瘍」や「十二指腸潰瘍」になる場合もあります。胃・十二指腸潰瘍の患者さんは、ピロリ菌に感染していることが多く(感染率約90%)、再発や治りにくさに、さらには胃癌までもが、ピロリ菌が関係していることがわかっています。
反対に全感染者の2〜3%に胃・十二指腸潰瘍が発生し、また胃がんに至るのは0.4%との報告もあります。日本人のピロリ菌感染者は約2人に1人と世界的にみても感染率が高く、40歳以上になると10人に7人の割合で感染しているといわれています。ピロリ菌に感染しているかどうかは、胃カメラを用いなくても、血液、呼気中の物質(尿素呼気試験)、尿、便、からも比較的簡単に検査することができ、当院でもこの尿素呼気試験法(検査用のお薬を飲み、一定時間経過した後に吐き出される息(呼気)を調べる方法)、を用いてピロリ菌に感染しているかどうかを判定しています。
潰瘍の原因は、ピロリ菌以外にも、お酒やタバコ、鎮痛剤など一部のお薬あるいは過度のストレスなどが潰瘍の原因となることがありますが、何回も潰瘍を繰り返している方や治りにくい方、一度「ピロリ菌」の検査を受けてみてはいかがでしょうか?お気軽にご相談ください。

(フリーペーパー:Fu-La-La登載)



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